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2021.02.15 毛髪再生医療

「器官置換再生医療」にもつながる成果 理研、毛包幹細胞の培養方法を確立

理化学研究所(理研)は2021年2月10日、毛髪を作り出す器官である「毛包」の再生能力を維持したまま毛包幹細胞を生体外で100倍以上増幅する培養方法を確立し、更に長期間に渡る周期的な毛包再生に必要な幹細胞集団を明らかにしたと発表した。

同成果は、理研 生命機能科学研究センター 器官誘導研究チームの辻孝チームリーダー、同・武尾真上級研究員らの研究チームによるもの。
詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。

ヒトなどの哺乳類の器官は、胎児期において器官誘導能を持つ「上皮性幹細胞」と「間葉性幹細胞」という二つの幹細胞の相互作用により形成され、出生後は「体性幹細胞」によって維持される。
体性幹細胞は器官誘導能を持たない為、病気やケガ、老化によって器官が機能不全に陥っても、それを再生する事は不可能だ。

そこで現在研究が進められている次世代の再生医療は、複数の細胞種からなる器官や臓器を丸ごと再生させ、機能不全に陥った器官と置き換える「器官置換再生医療」が目指されている。
器官再生医療の研究トレンドとしては、胎児期の器官誘導能を持つ幹細胞から器官の基となる「器官原基」を再生して器官へと発生させる方法と、ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞に位置情報を与えて様々なミニ器官を誘導する「オルガノイド」の研究が進められている。

研究チームも2007年には、胎児性上皮性幹細胞・間葉性幹細胞を三次元的に操作する「器官原基法」を世界で初めて開発し、外胚葉性器官である歯や毛包、分泌腺の再生器官原基を生体内に同所的に移植して機能する事を実証した。

毛髪を作り出す器官である毛包は、哺乳類において生涯に渡り再生を繰り返す唯一の器官だ。毛包は、皮脂腺や毛包上皮性幹細胞が存在するバルジ領域を含む不変部と、毛髪を作り出す工場である毛球部を含む可変部に分けられ、可変部はマウスでは約3週間、ヒトでは5~7年周期で退縮と再生を繰り返し(毛周期)、毛髪が生え変わる。

この過程において、毛包上皮性幹細胞と毛乳頭細胞(間葉性幹細胞を含む)が相互作用する事で毛包器官が再生される。
これは、毛包上皮性幹細胞および間葉性幹細胞が出生後も器官誘導能を維持している事を示しており、次世代器官再生医療である毛包再生医療のための細胞ソースとして期待されているのである。

毛包は、皮脂腺の維持を担う細胞や可変部の再生を担う細胞、両者を生み出す細胞など、機能の異なる複数の幹細胞によって維持、再生される仕組みだ。
それぞれの幹細胞の維持や増殖、分化に関わる分子メカニズムは明らかにされつつあるものの、周期的な毛包再生を可能とするメカニズムは明らかになっていなかった。
その為、周期的な毛包再生を可能とする幹細胞を増幅する方法は確立しておらず、毛包再生医療実現の為の大きな課題となっていたのである。

そこで研究チームは今回、毛包器官誘導能の異なる毛包上皮性幹細胞の培養条件を開発。
これらの培養細胞集団を比較することにより、長期間の再生の維持に必要な幹細胞集団を明らかにする事に取り組む事にしたという。

先ず、周期的な毛包再生に必要な幹細胞集団を明らかにする為、生体外で様々な培養方法が試みられた。
初めに、毛包上皮性幹細胞の維持や増殖に関連するシグナル経路に関わるサイトカインや低分子化合物、培養足場材料などの組み合わせについて、220通り以上の培養条件が検討された。

その結果、BMPシグナルを抑制するNoggin、線維芽細胞増殖因子(FGF)、HHシグナルを活性化させるSAG、上皮成長因子(EGF)を含む培地(NFFSE培地)で、アテロコラーゲンゲルを用いて立体培養すると、毛包器官誘導能を持つ上皮性幹細胞が最も高い増殖率を示し、6日間の培養で約190倍にまで増幅出来る事が確認されたという。

又、蛍光活性化セルソーティング(FACS)による増幅細胞集団の解析では、バルジ領域幹細胞のマーカーであるCD34/Itg6(インテグリン6)二重陽性細胞が全体の4%から70.8%に増加する事が認められたとした。

一方で、この培地からEGFを除いた培地(NFFS培地)やWntシグナルおよびNotchシグナルを活性化させるサイトカインを加えた培地(NFFSWN培地)では、CD34/Itg6二重陽性細胞の割合がそれぞれ56.2%および30.6%と、NFFSE培地に比べて低い増加率となる事が分かった。

そしてNFFS培養細胞では、毛包下部の再生を担う幹細胞のマーカーであるLgr5の発現が137.6倍、NFFSWN培養細胞では、皮脂腺幹細胞のマーカーであるBlimp1の発現が9.01倍まで上昇している事が判明。
これらの事から、NFFSE培地が器官再生能のある毛包上皮性幹細胞を未分化状態で維持しながら増幅する事が示唆されたとした。

そこで培養細胞の器官誘導能を明らかにする為、器官原基法により毛包原基を再生し、ヌードマウス皮内へ同所的に移植が行われた。
すると、NFFSE培養細胞およびNFFS培養細胞を用いた再生毛包原基から、同程度の毛包再生(再生毛の萌出)が確認されたという。

周期的な毛包の再生回数には違いが認められ、NFFS培養細胞では79.0%の毛包が2回以下の毛周期しか示さなかったのに対し、NFFSE培養細胞から再生した毛包の81.0%が3回以上の毛周期を示したとした。
この事から、長期的な毛包再生を可能とする毛包上皮性幹細胞の誘導には、NFFSE培養が重要である事が示されたのである。

研究チームはこれらの成果により、周期的な毛包再生能を持つ毛包上皮性幹細胞の生体外培養方法の確立に成功。
この培養方法を応用することで、ヒト頭髪バルジ由来細胞が1毛包から4000倍に増幅され、同一期間内に毛乳頭細胞が約100倍に増幅される事から、最終的に1毛包から約100毛包相当までの増幅が可能となり、毛包再生医療の臨床応用の実現に大きく前進したとした。

以上の結果を受けて研究チームは、NFFSE培養細胞中には持続的な毛包再生を可能とする幹細胞集団が含まれていると予想。続いて、その細胞集団を明らかにするため、NFFSE培地で培養した細胞集団と、限定的な毛周期を示すNFFS培地で培養した細胞集団に対し、細胞表面マーカーの発現を用いて両者の特徴の比較が行われた。

一般的に、幹細胞の自己複製には細胞外分子群が重要な役割を果たしていることから、まず細胞接着分子および細胞外基質の発現が比較された。
すると、NFFSE培養細胞集団には、バルジ幹細胞であるCD34/Itg6二重陽性細胞集団中にインテグリン5(Itg5)を高発現する細胞集団が含まれることが明らかとなった。

そのうえで、NFFSE培養細胞からCD34/Itg6/Itg5三重陽性細胞を除去したうえで機能解析が行われ、3回以上の毛周期を示す再生毛包の割合が79.9%から13.3%へと大幅な減少が認められた。
また細胞系譜解析では、再生毛包において三重陽性細胞は皮脂腺、バルジ領域、および毛球部を含む毛包可変部に分化することが示されたという。
これらの結果から、再生毛包においてCD34/Itg6/Itg5三重陽性細胞が、周期的な毛包再生に必要であることが示されたのである。

培養実験で観察されたCD34/Itg6/Itg5三重陽性細胞の毛包における局在を明らかにするため、続いては免疫染色による解析が実施された。
すると、マウスおよびヒト頭髪毛包では、サイトケラチン15(CK15)陽性バルジ領域の上部においてItg5発現細胞の局在が確かめられた。
また、この領域においてEGF様ドメインを持ち、細胞接着分子のインテグリンと結合する細胞外基質の糖タンパク質である「テネイシン」の発現が確認されたという。

これらの結果から、天然毛包においてCK15陽性バルジ細胞に機能的な多様性が存在し、Itg5陽性細胞が長期間の毛周期の維持に必要であり、テネイシンがItg5陽性細胞のニッチとして機能している可能性が示されたとした。

今回の研究により、周期的な毛包再生能を維持したまま毛包上皮性幹細胞を増幅できる培養方法の開発に成功するとともに、長期間の器官誘導能力の維持にはCD34/Itg6/Itg5三重陽性細胞が重要であることが解明された。

今回の成果は、毛包上皮性幹細胞の周期的な毛包再生や分化、運命決定のメカニズムや、上皮性幹細胞間の細胞系譜の理解などの幹細胞生物学研究に大きな貢献するとともに、「なぜほとんどすべての体性幹細胞は器官誘導能を失っているのか」、「どうしたら組織幹細胞においても器官誘導能を維持できるのか」という、発生生物学上の根本的な問いに答える足掛かりになることが期待できるとしている。

また今回の研究により確立された培養方法を応用することで、少数の毛包から大量の再生毛包を人為的に製造することが可能だ。
それにより、世界初の器官再生医療である毛包器官再生医療(毛髪再生)の実現に大きく貢献することが期待できるとも、研究チームはコメントしている。

・こちらの記事はマイナビニュースより引用しました。
https://news.mynavi.jp/article/20210215-1733419/

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